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ひらおかゆみのなげやりブログ

もう、なげやりです…

海王星第1衛星・トリトンのこと

海王星の第1衛星・トリトンー数ある太陽系の衛星の中でも特異的な存在です。

トリトンが発見されたのは1846年、これは海王星とほぼ同じ時期です。長い間海王星第1衛星として地位を保ってきたトリトンですが、ボイジャー2号の情報や近年の観測技術の進歩によって、そもそもトリトン海王星とともに生まれた衛星ではなく、その出自は海王星の重力に捕らえられたTNOだという説が現在では有力となっています。

トリトンの直径は約2,700kmですが(参考まで月の直径は3,500km弱、冥王星やエリスの直径は約2,300kmあります)、他の12衛星が数百~数十kmであることを考えるとトリトンだけ突出して大きいことがお分かりいただけるかと思います。

もう一つ、トリトンは「逆行軌道」を持つ衛星です。普通、惑星や衛星の公転軌道は公転軸の北極から見て時計回りであり、これを「順行軌道」と呼んでいます。トリトンは軸となる海王星の北極から見て反時計回りに6日かからない速さで公転しています。逆行軌道は元から惑星の周りを回っていた衛星では発生しにくいとされています。例えば、木星の最も外側を回る「パシファエ群」と呼ばれる十数個の小さな衛星はいずれも逆行軌道で、これらは木星の引力に捕らえられ粉々になった小惑星の残骸だと考えられています。トリトンも同様に海王星圏の外からやってきたと考えるのが妥当というわけです。ただ、トリトンの場合は離心率0という完全な円軌道であり、離心率が大きくなりがちな逆行衛星の中でなぜ完全な円軌道を保っているのかは謎とされています。

さて、トリトンはその大きさと逆行軌道ゆえ、海王星と強く引き合い、公転速度も徐々に遅くなっているようです。そして数億年以内にトリトン海王星に近づきすぎ、海王星の重力によって粉々にされてしまうと予測されています。トリトンの行く末には興味がありますが、さすがに私たちは何億年も生きられませんので、そこは子孫に託すしかありません。まずは、人類があと数億年文明を維持できるよう努力するのが私たちの使命なのかもしれません。

 

実は太陽系の惑星・準惑星には、トリトンのように特異的に大きな衛星を持つものが他にもあります。冥王星の第1衛星・カロン、そして私たちにお馴染みの月がその代表格です。